デザイン観測

デザインもの(乗り物関係が多くなるのかなぁ)について書いたり描いたりして自分なりに理解していく備忘録的な感じです。絵は15分以内で描くのをゆるいルールにしてます。あ、面白ハンコ屋さんの中の人です。http://www.hankopla.net

吉岡里帆のビジュアル的な解釈【悪女というよりコワ女を好演している】

『カルテット』は満島ひかり目当てで見始めたドラマですが、内容的にも僕にはとてもおもしろくて毎回キチンと観ています。

キャストそれぞれが機能しているっていうんでしょうか、全員がストーリーをグルグル回す推進力になっている感じだなぁと思うのと、やっぱり脚本とか演出とかがキチンとしているんでしょうね。

中でもこの吉岡里帆はすごいなぁと今や僕にとって、このドラマの新たな目当てになっているような気がします。

『あさが来た』と『ゆとりですがなにか』でもこの人を観たのだけど今回はまた全然違うというか、すごくコワい役をとてもリアルに好演していると思います。

これまで、よくドラマに出てきた類型的な「悪女」ではなくて、実は世間には居るのにドラマにはあまり出てこなかったタイプの「コワ女」をキチンと演じられるのは、おそらくこの人の能力の高さなんだろうなと思います。

ドラマの方は、だんだん佳境に入ってきて先週はえらい事になっていたけれど、この先どうなっていくのかは僕には全然読めません。

あ、多分そこがこのドラマのおもしろさのポイントなんでしょうね。

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ブルゾンちえみのビジュアル的な解釈【これこそテレビジェニック】

ちょっと前までは芸人さんの多くは「おもしろい顔をして」お客さんに予告した上で「おもしろい事をいったり、したり」するっていうのが大方のセオリーだったような気がするのだけど、最近は特に女芸人さん界隈では真顔で断言するスタイルがキテる感じのような気がします。

以前描いた平野ノラもそうだし、この人も正にそのタイプだと思うのだけど「オチ」をいうのではなくて「キメ」の味わいを投げ込むような芸風で、こういうのを楽しめるようになったのは正に日本のお笑い鑑賞力が全体的に底上げされてきたからなんでしょうね。

で、毎回その「キメ」が予想の斜め上だったりするので僕もとても好きなスタイルです。

あと多分ですけど、このタイプの芸人さんは劇場とかライブで観るより、やっぱりテレビに向いているような気もします。

「キメ」のところはやっぱり顔のアップになった方が分りやすいに決まっているし、そういうカット割りみたいな要素もこういう芸の大事な要素の気がするんですね。

なので多分この人は今、地方での営業とかも多いのだろうけど、どこかのショッピングモールの広場では全員ポカーンみたいな空気感もたくさんありそうだなぁとは思います。でも負けずにがんばれ。

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大野智のビジュアル的な解釈【正に関東顔のリーダーだと思う】

これは完全に僕の感覚値なのだけど、嵐は日本でトップクラスの動員力を持つアイドルグループなんじゃないですか?だって近所にあるスタジアムの周りが大渋滞したり、もの凄い人出だったりすると大抵、嵐のコンサートですもん。

そんな風に他の人のコンサートとかスポーツ興行では見た事のない動員具合を毎回必ず巻き起こすグループのリーダーのこの人はおそらくアイドルとして相当な人気なんだと思いますが、僕はこの人のドラマを結構観ていたので、むしろ役者さんとして見ていました。

一番印象的だったのはやっぱり「鍵のかかった部屋」かな。無表情で頭脳明晰な鍵師の役をとても好演してたと思います。

ビジュアル的には、伝わるかどうか自信がないのだけど「関東顔」っていうのかな、あ、これは出身地の事ではなくて特にまず関東方面で人気が出る傾向が強めな感じがするってニュアンスなんですけど、そういうトコに入るような気がします。

なので、彼らのデビュー時にもし僕が事務所の担当でもやっぱりこの人をリーダーに選ぶと思います。やっぱり、とてもおさまりがいいですもん。

あ、ちなみに同じ「関東顔」系としてはAAAの西島隆弘とか、氣志團綾小路翔なんかも入るような気がしています。

これも完全に感覚値なんですけどね。

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古いベスパ【ネタに迷った時いつも思い浮かべる僕の教典】

前回、坂口健太郎を描いたときに、今は「モテ要件」が変化してきているので、そういうのをキチンとキャッチするのは商品企画の大事なヒントになると思うって話をしたのですが「そのあたりをもう少し掘り下げて説明せよ」っていうお話をキャッチしたような気がしましたので、それを説明する振りをしてデザインの話を少しだけしますね。

これは僕も以前乗っていたベスパの古いヤツですが、これってなんかこういつ見ても素敵だと思うんです。

乗り物に少し詳しい人ならみんな知ってると思うのですが、二輪は日本、ドイツ、イタリアがブイブイいわせている市場なわけですが、この三つの国は第二次大戦の敗戦国なんですね。

要は戦争に負けて、それまで他から色んな人員とか材料とかリソースをまわしてまで作っていた飛行機とか武器とかを作るのを禁止されて「これからどうしよう?」ってなった時に残っていたわずかな材料とか工作機械で細々と小さなオートバイとかスクーターを作り始めたのがざっくりいうと、この三つの国で二輪が盛んに作られるようになった事情の発端だったりするみたいなんですね。

いわれてみたら、ベスパの小さなタイヤとかモノコックのボディなんかはプロペラ戦闘機のディティールに繋がる感じですもんね。

要は「アリもの」と「できる事」を組み合わせてなんとかカタチにしてたわけですが、世界が戦後の疲弊からなんとか立ち直っていく過程で、すごく喜ばれた商品だったんだろうと思うんですね。

それから徐々に世の中が安定してきて、作り手の「できる事」も増えてきてカタチも洗練されていくわけですが、この際のデザインの進み方が正にその時代ごとの気分にピッタリで、その洗練のさせ方が上手だったからベスパは今もスクーターを作っていられるんだと思うんです。

それともう一ついえるのは、ベスパのデザイン戦略が上手だっただけではなくて、その時代のスクーターのニーズそのものが今に通じる価値のあるものだったから「スクーター」っていう商品がなくなっていないんだと思うんですね。

よく、「ニーズに合わせて作れ!」っていう話を聞きますが、だからといってそれが将来的に長期にわたって「残るモノ」になるかどうかは分らないということでもあると思うんです。

「今、売れるモノを作る」というのは商品企画の基本ですが、「残るモノを作りてぇー!」っていうのはデザイナーの野望でもあると思います。

これってもちろん、まず「今売れる」をクリアしないといけない話なわけですが、抽出したニーズ自体にどれくらい普遍的な価値があるのか、あるいは今はまだニーズとして捕まえられていない要件をどう見つけていくのかみたいな所が大事になってくるわけですよね。

そういうのを考える時に、原始的でシンプルな「モテる」みたいな要素で考えてみると意外と最短距離であれこれ見つかるかも知れないんじゃないかと思うんです。

あれ?ところで質問はなんでしたっけ?

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坂口健太郎のビジュアル的な解釈【正に現代ハンサム】

僕の最初の印象は「とと姉ちゃん」の優しそうな植物学者役だったのだけど、今やっている「東京タラレバ娘」ではクールなカリスマモデル役をビシっとこなしているので、やっぱりこの人も高性能な演者エンジンが搭載されている感じだと思います。

あと、清潔感が強くて体臭とかなさそうで、いちいちブチ切れたりしなそうな知的感があって、おしゃれでハンサムとくれば、人気が出るのもわかります。

旧型のハンサムって、もっとこう押し付けがましいトコとか、それぞれ独特のクサみとかがあったような気がするのだけど、この人とか星野源とかにはそういうのをあまり感じないので「モテ要件」が随分変化しているんでしょうね。

その辺って、実は色々な商品企画にも大事なヒントだと思うのだけど、そういうのってデータをたくさん集めて解析とか研究とかしてもきっとわからないような気がします。

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