この人の一番古い記憶は黒のタートルネックを着て「トツギーノ」っていうフリップネタを演ってたヤツなのだけど、その時から既に圧倒的な異彩を放っていたと思います。
なんていうかこう、お笑いのルールブックのキワを突く感じっていうんでしょうか、これまでのセオリーとは違った要素を笑いに転化するようなスタイルで僕にはとても面白かったです。
その後も着々と人気芸人になって、今やテレビでたくさん見掛けるようになりましたが、そんなスタイルは変わらずにむしろ、しっかりと確立されてきた感じじゃないでしょうか。最近だとMC寄りのポジションも少なくないけれど、それでもやっぱりこの人独特の存在感がキチンとあって、なんていうかこう「芸人の到達点としての司会者」というより「司会も芸の見せ場」みたいな方向性で取り組んでいる感じがします。
完全に当てずっぽだけど、多分相当アタマがいいというか反射神経がいいというか、普通の人より気付くコトのレンジが広くて敏感というか、あと何より狂気をたくさん隠し持っている感じがします。
そんな異彩具合から正にテレビの芸人さんとして同業者や業界内での評価がうんと高いのだと思うのだけど、これはお笑いスクールとかで習って覚えるようなのとは違う素養なので、このスタイルには中々フォロアーというか後に続く後進は出てこないんじゃないかとニラんでいます。
表面的な技術力の他に、独自新開発のお笑いエンジン(狂気と知性+説得力のハイブリッド)が搭載されているので、ちょっとやそっとではマネできない領域に居る人なんじゃないかと思うわけなんです。