1970年代あたりのアメリカ車は、自由で陽気で大らかな感じがして、僕はとても好きなんだけど、当時の日本車のスタイリングにも、たくさんの影響を与えていたんだと思います。
これは、70年あたりのフォード・トリノっていうクルマで、クリント・イーストウッドの映画「グラントリノ」で描かれていたモデルのひとつ前の型になります。
この年式の「アメ車」といって思い浮かべるのは、やっぱりコルベットやカマロとか、あとはキャデラックあたりがメインだと思うのだけど、こんな感じのちょっとマイナーなモデルには、のちの日本車のデザインにつながる要素がたくさんあるような気がするわけなんです。
このクルマだと例えば、日産・ローレルとか、トヨタ・コロナマークⅡとか、マツダ・ルーチェが浮かびましたが、面白いのは、その三台同士はどれもあんまり似ていないのに、真ん中にこのトリノを置くと、とてもしっくりとファミリー感が出るような気がするところです。
まぁ、ホントに参考にしたどうかは知らないのだけど、アメリカのクルマってやっぱりある時期まで日本車の(または世界のクルマの)手本だったんだと思うわけなんです。