これは、ニュージーランドのジョン・ブリッテンっていう天才が、エンジンもシャーシも自分で作ったレース用のバイクで、90年代のヨーロッパの二気筒レースで勝ちまくり、デイトナでも確か5回くらい勝ったんじゃなかったかな。
そんなすごいレーシングバイクを個人で丸ごと手作りしちゃうってのは、それだけで快挙なのだけど、このバイクは、それだけでなく革新的なアイデアが満載で、エンジンがフレームの役割も担っていたり、フロントのサスペンションが四輪のダブルウィッシュボーンみたいな作りになっていたり、外装やモノコック部分、あとホイール(これも自家製)なんかもカーボン素材で出来ていたりします。
ニュージランドって、世界に打って出るにはとても不利な地域だと思うのだけど、アンソニー・ホプキンスが主演した映画「世界最速のインディアン」のモデルになったバート・マンローとか、この人とか、突出したモーターサイクリストを輩出する場所で、なんとなく背景に色んなハンデとかを気にせずに、人と違うやり方で正解を出すタイプの気質があるような気がします。
そんなこんなも含めて、このV1000は僕が一番憧れるバイクなんです。