これはホンモノを見た時に、とにかく恐れ入りました。
まぁ、12気筒のフェラーリの新型が出るたびに毎回恐れ入るのだけど、これはもう正に、ご本尊さま登場というか、光臨というか、なんかそんな雰囲気で「カッコいい」とかっていうより「ありがたい」という感じでした。
これは、いつものピニンファリーナではなく社内デザインなんだそうですが、現在のフェラーリのフラッグシップの習わしになっている、F-1的なモチーフを入れながらも、徹底的に端整で上品で迫力ある見事なスタイリングだと思いました。
何しろ名前が「ラ フェラーリ」で、自社の名前を冠しているわけで、勝負がかかっている感がもの凄いですから、とにかく変なモノは出せないという緊迫感とか腹のくくり感とかヒシヒシと感じます。
そういえば以前、あるメーカーの人が「デザイン志望の新入社員に“では、自分がカッコいいと思うスポーツカーをオリジナルで描いてみなさい”というと、みんなランボルギーニ的なのを描くんだよ」っていってましたが、確かにフェラーリは古典的なスポーツカーの文法を今も大事にしている気配があるので、面に抑揚があったり引用があったりしてややこしいけど、エッジを組み合わせて構成する感じのランボルギーニは、なんとなく新しい雰囲気もあるし何より描きやすいのかもと思いました。
でも、そんな風に歴史もキチンとコンテンツ化していくフェラーリって、やっぱり格の高いブランドな気がするし説得力も強いなぁとも思います。
あ、あえて心配なところを挙げるとしたら、「エンツォ」、「ラ・フェラーリ」と来てしまったら次のネーミングは大丈夫なのかな。
それが心配。老婆心だけど。