デザイン観測

デザインもの(乗り物関係が多くなるのかなぁ)について書いたり描いたりして自分なりに理解していく備忘録的な感じです。絵は15分以内で描くのをゆるいルールにしてます。あ、面白ハンコ屋さんの中の人です。http://www.hankopla.net

草刈正雄のビジュアル的な解釈 【年齢を重ねても目減りしない本物のハンサム】

今のNHKの朝ドラ「なつぞら」で、おじいさん役を存在感たっぷりに好演しているこの人は、やっぱり本物のハンサムだなぁと思います。

これは日本の芸能史の変革といってもいいとすら思うのだけど、ハンサムの定義って長い事「若い」が必須要件になっていたところに、この人が「ハンサムなおじいさん」を提示して見せてくれたことで、同じように「美人」の定義すらも変化してきいるっていうのかな、要は「美人なおばあさん」もアリになってきている(実際居るし)ことにも気づかせてくれたっていうんでしょうか。

これって多分、観る側の美意識の進化とかももちろんあると思うのだけれど、当事者でもある役者さん達の一部にも「若さにしがみつく必要はないのだな」みたいな意識の変化があったんじゃないかと思うんです。

年を取る事による外見的な変化は自然な事で、それを別にネガティブにとらえる必要もないっていうか、無理して「おにいさん」や「おねえさん」に見られる事に固執しなくてもいいっていうのを、こういうキャリアのある役者さんが示してくれると世の中の「若さ至上主義」の裏側にある「年を取る事への恐れ」みたいなのを随分と緩和してくれるような気がします。

ただ、これって奥の方に大事な事が隠れていて、おじいさんって単に「おにいさんの衰えた版」なわけではなくて、年を重ねた事による何かが付加されていないと、きっとダメなんじゃないですかね?その何かが用意できないから取りあえず「若さ」にしがみついておく、みたいな人が発生したりするんじゃないかと、この人を観ていて思いました。多分、ひそかにこの人に憧れている中堅俳優とか結構いるんじゃないかな。 

なんかそんな風に、この人は年を取る事がマイナスになっていない本物のハンサムだと思うわけです。

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