デザイン観測

デザインもの(乗り物関係が多くなるのかなぁ)について書いたり描いたりして自分なりに理解していく備忘録的な感じです。絵は15分以内で描くのをゆるいルールにしてます。あ、面白ハンコ屋さんの中の人です。http://www.hankopla.net

ミルクボーイのビジュアル的な解釈【タレント感というより漫才師感なトコが逆に新しい】

ホントはもっと早くにこの人達を描きたかったのだけど、あれこれ慌ただしくてすっかり遅くなっちゃいました。

去年のM-1グランプリでの優勝以来、テレビでもたくさん観れるようになりましたが、僕はとても好きなコンビです。

ネタはもはや発明といっていいと思うくらいだと思うし「タレント」っていうより「漫才師」っていう感じが今やむしろ新しい感じだと思います。

いや、最近の傾向として「お笑いの目指す先」ってタレント的な活動がメインのフィールドになっているような気がしていたので、ここまで漫才師の気配を引っさげて登場したこの人達には、なんかこう軽い違和感を持ちながら気になるというか、人気の構造がこれまでとちょっと違う気がするわけです。

あと、何より二人で並んだ絵ズラがとてもいいと思うんですね。左の駒場さんだけだと、どことなくちょっとコワそうで、右の内海さんだけだと、どことなく頼りなさげな感じみたいなところを、二人が並ぶと独特な磁場が発生する感じでグっと引き込まれるっていうんでしょうか。なんかこう「新しいタイプのスター性」みたいなのを感じるなぁと思います。

あ、あとその右の内海さんの言葉って、いわゆる「今の普通の関西弁」というよりオールドスクールな感じがするんですね。滑舌とかイントネーションは関西弁というよりむしろ「笑福亭仁鶴」弁っていうのかな。そこが実はポイントで、おじさんやおばさんのお客さんにも、ベテランの先輩芸人にもスルッと馴染みやすい気配を持っていながら、ネタの随所に「今」っぽさを忍ばせていて、そういうのって商品企画的な手法としてもとても新しいと思うんですね。

とにかく、この人達はこの先何十年も大丈夫なスタイルなんじゃないかなぁと僕は思っているわけです。

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ユーノスロードスター/NA【愛され続けるクルマ】

このクルマは初期型だと30年くらい前に生産された立派なクラシックカーだと思うのだけど、今も時々街で見かけるし乗っている人が愛情を持って大事に乗っている感じがしてとても好感が持てます。
運転のマナーが良くて感じのいい人が多いイメージで、こういうクルマが増えると路上の治安とか平和指数とかが向上して、より良い社会になっていくような気すらしますよね。
今も(マツダブランドで)現代版が販売され続けているし、おそらく日本車を代表する一台になっているんだと思うわけですが、この最初のユーノスロードスターは、やっぱりちょっと特別というか愛される要素が、その後のモデルチェンジ版よりグッと濃いような気がします。
もちろん「初期型の先駆者感」みたいなのもあるとは思うのだけど、やっぱりサイズとカタチがとてもいいんだと思うし、その背景にハッキリと「走らせるのが楽しい」っていう要素を持っているからなんじゃないかと僕はニラんでいます。
そういう根源的な要素だけでクルマと乗る人の関係性が完結できるのって今や結構めずらしいと思うのだけど、そういう「自分が気に入っているから」っていう一点で付き合う価値があるんだと思うわけです。
 
つうかあれか、そういう心意気の人が乗っているから清々しい感じがするんだな。多分。
僕の身内が、このクルマを新車で買って今も大事に乗っているのだけど彼もすげーいいやつだし。

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松下洸平のビジュアル的な解釈【声とか表情で背景まで語っている】

いや、そんなにたくさん観てきたわけではないのだけど、今の「スカーレット」は僕が観たNHKの朝ドラ史上一番おもしろいと思っています。

単純に僕が戸田恵梨香さんに弱いというのはあるのだけれど、出演者みんなにチカラがあって脚本が素晴らしいと思うので、とにかく毎回とても楽しみにしています。

中でも、戸田恵梨香さんのご主人の八郎さん役のこの人は、実は僕はこの作品で初めて見たと思うのだけどホントに素晴らしいなぁと思います。

真面目で優しくて真摯で、迷ったり悩んだりしながらも粘り強いという存在感を、セリフだけじゃなく声とか表情とか横顔とか後ろ姿とか、そういう使えるもの全部を使って表現してるっていうんでしょうか、俳優として演じているというより「八郎そのもの」になっている感じがします。

あと、この感じのキャラクターって、最近のドラマではあんまり登場しなかった「ド直球のいい人」で、こういう役って有名な人気俳優とかがやると、その有名さがノイズになっちゃう時もありそうな気もするのだけど、僕にとってのこの人はそういう予備知識が全然ないとこで彗星のように現れたのもあってか、とても安心して、この八郎のキャラクターに物語の先へ乗せていってもらえている感じがします。

ちょっと前までは、こういう真面目で一本気な男には「面白みに欠ける」的な評価が下される気配があったような気がするのだけど、こういうチカラのある俳優さんが、しっかりした脚本で提示してくれると、きちんと「愛すべき男性像」としての価値を再構成できるんだなぁと感心したというか、おそれいりましたよ。

男子のみんなはムリしてカッコつけようとか、照れて妙なオチをつけようとかしないで、優しくて真面目で真摯な気配を取り入れる方が、意外と近道かもしれないよ。

何の近道かは良くわからないけど。

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新年のごあいさつ【ねずみ年ってことでスーパーカブ/C100】

昨年はあれこれ慌ただしくてバイクをあまり描けなかったのと、やっぱり僕の場合、一年の描き初めはバイクにしたいので今回はスーパーカブ/C100にしました。

ねずみ年は十二支の最初ってことで、ホンダのっつうか日本のオートバイの最初のヤツとして、すぐに頭に浮かんだのが、この初期型のカブってわけなんです。

最近また人気がグッと上昇しているこのバイクは、世界で一番たくさん製造されたモデルで、1958年からモデルチェンジしながらずっと作られていて、累計の生産台数は一億台以上っていうんだから、これはもう「大師匠クラス」の存在感で、もちろん今も記録更新中っていうんだから素晴らしいなぁと思います。

この最初のやつは、ディティールが今の機種とはあちこち違うのだけど、全体的な印象はやっぱりキチンと今に通じるカブで、そういう意味では最初のコンセプトとかデザインが60年以上経っても通用するという、ものすごいプロダクトだったんだなぁとあらためて思います。

そんな感じで、今年もどうぞよろしくお願いいたしますね。

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マツダ3 ファストバック【デザイン観測的2019 カーオブザイヤー】

最近、何かとあわただしくて、毎年描いていたこれを忘れていましたが今年は全く迷う事なくこのクルマを選びました。

最近、ようやく僕の街でも走っているのを見掛けるようになりましたが、いつ見てもステキだなぁと思える造形で素晴らしいと思います。

なんかこう、マツダは今やカーデザインの先頭を走っている感じがするなぁ。

元々、先代のアクセラもキレイな形で僕には好印象だったのだけど、このカテゴリーで突出した存在感を出すにはもっと個性的でも良かったんだなぁと、このマツダ3を見て思いました。あ、あと名前もアクセラアテンザどっちがどっちか混乱することも時々あったので、この名前変更にも僕は賛成です。

以前、どこかのカンファレンスでマツダの社長さんが「マツダの顧客をしっかりとセグメントしていくと、クルマが好きで走らせるのが好きな人たちが顧客層になると思うので、少数かもしれないけどそういう人達にきちんと響くクルマ作りをしていきたい」的な事をお話していて、走りも含めた質感とデザインでそれを着々と実現している感じがするのと、そういうのが結果的にマツダのブランド力の向上につながってきているんだなぁと思います。

で、このマツダ3で、また一段階それが進んだような気がします。

 それにしても、あれじゃないかな、もしかすると今のマツダのあり方を羨ましがっている自動車メーカーって結構多いんじゃないかな。

 

あ、バイクオブザイヤーはホンダのスーパーカブ/C125です。

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