デザイン観測

デザインもの(乗り物関係が多くなるのかなぁ)について書いたり描いたりして自分なりに理解していく備忘録的な感じです。絵は15分以内で描くのをゆるいルールにしてます。あ、面白ハンコ屋さんの中の人です。http://www.hankopla.net

村上虹郎のビジュアル的な解釈【大事な場面の表情力】

今のNHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」は登場人物に無駄がなくて役者さんがみんなとても上手で僕はドはまりしているわけですが、なかでもこの人はホントにすごいなぁと思います。

役柄のポジション的には最初、レギュラーメンバーだけど7番レフト(野球は全然詳しくないのだけれど)くらいの感じなのかと思っていたのだけれど今や3番サード(野球は全然詳しくないのだけれど)くらいの存在感になっている感じじゃないですか?野球は全然詳しくないのだけれど。
キャラクター的には名家の次男坊で、優秀なお兄さんが期待を一身に背負ってくれたおかげで好きな野球に打ち込めていた素直で正直な「いいヤツ」みたいな感じだったと思うのだけれど成長と共に気を使ったり、いいたい事を飲み込んだりする場面が増えていくという、なかなか微妙な立ち位置で、そういう陰と陽というか葛藤というか心の機微をセリフだけじゃなく表情とか姿勢とかでもとても見事に伝えてくれる役者さんなんだなぁと思うんですね。
あ、あと他にとても的を射たいい事をいっているのに能天気な野球バカとして処理させる場面とかの高低差もキチンとスパイスになっていて、そういう意味でもシンプルなキャラクターに見えて実は、かなり多面的な難しい役だと思うのだけれどホントに上手にイサムさんを描いてみせてくれていて、この人が出てくる場面に安心感というか独特な磁場を発生させてくれているような気がします。

岡山弁も野球のシーンもとても堂に入っていると思うし。いや、野球は全然詳しくないのだけれど。

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VW アルテオン シューティングブレーク【デザイン観測的2021カーオブザイヤー】

そういえば今年はあまり乗り物を描いていないなぁと思ったら、すっかり年末で僕の選ぶカーオブザイヤーの時期になっちゃってました。
今年はコロナの影響で乗り物業界はどうなることかと思いましたが各社、意外と売れているらしくて、むしろ半導体不足の方が影響が大きかった感じみたいですが今年も「お!」っと思うクルマがちゃんと登場していたと思います。
中でも、このクルマは品が良くて街で見掛けると一日得したような気になる美しいワゴンだなぁ、ということで脳内会議では満場一致で選出されました(全部僕だけど)。
クルマ販売の主戦場とか購買層の変化から、いつからかイカツくて威圧感を周囲にもたらす造形が主力になる傾向が濃くなってきたような気がするのだけれど、そんな中にあってこれはきれいでスタイリッシュな自動車の価値をキチンと守っていると思うんですね。先に発売されていたセダンタイプも、とてもきれいで僕は好きだったのだけれどワゴンだとそれにどこか「遊び」の要素も追加されている印象が出てくるっていうのかな、要は守備範囲が広がる感じで、とても説得力のある仕上がりだと思うわけなんです。
なんかこう、VWってこういうのを真面目に作るとホントに上手だなぁと思うんですね。
ウチにはちとデカいのだけど。

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上白石萌音のビジュアル的な解釈【リアルな好感力】

今月から始まったNHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」には、もうすっかりグイグイ引き込まれているわけですが、すごく精密で丁寧な作りにになっていてびっくりしています。15分でこんなにやれるもんなんだなぁと。
なんかこう、キャストとか脚本とかを含めて「弱点がない」っていうのかな、登場人物にみんなキチンと役割りがあって全員が機能している感じがすごいなぁと思うんですね。
特に主演のこの人については実は大人気だったTBSドラマ「恋はつづくよどこまでも」を僕は観ていなかったので、ほとんど予備知識がなかったのだけれど、こういう精密で丁寧なドラマで主役を張るのにふさわしい、すごい女優さんだったんだなぁとあらためて思いましたよ。
完全に和菓子屋の娘の安子に見えるし「楽しい」とか「哀しい」とか各レンジの強弱がシームレスで、ゆえに観ている側の気持ちとかペースにしっかりとリンクして、ふわっと、でも着実に物語に乗せて行ってくれる感じっていうのかな、そういうチカラがある感じで。
その原動力というか土台になっているのが、この人が醸し出している「好感力」なんじゃないかと僕はニラんでいるのだけど、容姿とか声とか表情とか立ち振る舞いに「応援したくなる」とか「無条件で幸せを願っちゃう」気配とか成分が含まれているっていうのかな、要は「姪」とか「いとこ」とか「親友の娘」とかくらいのリアルな距離感で気にかけちゃう要素が配合されている感じがするんですね。
なので今、物語りでは大変な局面だけど、きっと観ている人は全員応援しているんじゃないかな。少なくとも僕はそうだなぁ。
おはぎだって無性に食べたくなったし。これも、きっと観ている人は全員そうだと思うし。

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ダニエル・クレイグのビジュアル的な解釈【正にシン•ジェームズ•ボンド】

この人以前の007シリーズって、ジェームズ•ボンドがもっとこうニヤけてた気がするのだけれど、この人になってからシリアス風味が増えたっていうのかな「本格スパイ映画感」がグッと濃くなった気がします。全然笑わないし。
で、僕はそういうスタイルがとても気に入って、この人の007シリーズは全部劇場で観たわけなんですが、もちろん今やっている「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」もコロナの緊急事態宣言が明けた後に観に行きました。
タイミングが良かったのか席も空いていてゆったり&集中して観る事ができた幸運もあるとは思うのだけれど、映画そのものがとても僕の好みの感じで、多分二年ぶりくらいで劇場に行って観る映画としてはホントにサイコーというか正に「映画を観たなぁ」っていう心のスイッチをしっかり押してもらえた気がします。
ストーリーとか内容について触れるのは野暮なので横に置いておきますが、これまでの007シリーズのオマージュ的なトコもあったりして集大成感は素晴らしいと思ったし、これは僕だけなのかも知れないけれど「カリオストロの城」を連想するシーンがいくつかあった気がしました。
あと、やっぱりこの人の「画面のおさまり力」っていうのかな観客を静かにかつ強力に引き込むチカラはすごいなぁと思ったし、ちょっとこう特別な俳優さんだと思うというか観ておいてホントに良かったなぁと思う一方、次のジェームズ•ボンド役を引き受ける俳優さんは大変だろうなぁと老婆心ながら思いました。

それとは全然関係ないのだけど、二回目のワクチン接種の副反応で熱は出るし筋肉は痛いし更に頭は超痛いしで二日寝込んでエラい目に遭いましたよ。みなさんもどうかご自愛くださいね。

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小鉄のビジュアル的な解釈【ウチの二代目ラッキーキャット】

ウチには一昨年、デパートに岩合光昭さんの猫の写真展を観に行った時に同時開催されていた保護猫譲渡会で出会って引き取ることにした二歳の雑種猫の小鉄(こてつ)がいます。生後二ヶ月程でウチに来た時は兄弟と別れて全然知らない所にホリ込まれた寂しさから、三日くらいずっと泣いていましたが。その後はすっかりウチに馴染んでくれて、今では完全に我が物顔で相当元気に暮らしてくれています。

基本的に人間が好きなタイプのようで、来客があるとにじり寄っていって「とりあえずだっこしてくれ」という意味の意思表示をすると、みんなそうしてくれるので本人もご満悦で来客もメロメロになるという好循環になっている感じなわけですが、あの「人たらし」の能力は僕もホントに身につけたいと思うわけなんです。

元々、ウチにはゴルゴ(通称ゴンゴン)という真っ白でハンサムな猫が生後一ヶ月くらいから僕の膝の上で老衰で亡くなる(この時は体の水分が無くなるんじゃないかってくらい泣いた)まで23年間一緒に暮らしていたので猫には慣れていると思っていたのだけれど、同じ雑種のオス猫でも個性は随分ちがうもんだなぁと、あらためて思っています。ゴンゴンも特に人見知りではなかったけれど、もっとマイペースというか自分の世界があるタイプだった気がするし、それがまた良かったというか猫ってそういうもんだと思ってたんですね。

で、ウチの場合は「猫を飼う」という感覚より「猫と共に暮らす」というか「猫の人生の登場人物になりたい」感じなので、以前はゴンゴンが、今は小鉄が快適に日々を過ごせたら充分だという流派で、ケガに繋がるようなよっぽど危ない事(猫は想定の斜め上の事を時々やらかす事がある)以外は何でも好きにやってもらっております。

おかげで僕の超お気に入りのソファ(ハーレーを買った時より嬉しかったヤツ!)が爪研ぎでボロボロになってきたけど。

てか、ゴンゴンがいる頃にこういう絵を描くブログをやっていたら、あいつの絵も描いてあげられたのにな。

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