メイプル超合金として登場して以来、独特なスタイルでとても好きな人たちなんですが、最初はシュールでパンクでアンダーグラウンドな感じの芸人さんだと思っていたんですね。ネタ的にもそんな気配が濃くて、なんていうかこう新しい流派を開拓している感じだなぁと思ったわけなんです。
その一方で、ピンで活動する時にこぼれ出るこの人の頭の良さとか発想の豊かさとか合理的な思想とかが注目されるようになって、今や芸人さんとしてだけじゃなくて世の中の出来事の解釈を担当している感じにもなっている気がします。しかもそれがこれまでの慣習とか世間の気分とかとは違う独特な解釈で、なのにキチンと腑に落ちるというか説得力がとても強力なところがポイントなんじゃないかと思うんですね。
今や芸人さんが意見をいうこと自体は特別なことではなくなったとは思うのだけど、意外と自分のキャラクターの表現としての活動に見えたり、ムリに背伸びをして文化人方面の立ち位置を確保しようとしていたり的な気配になっちゃうこともあったりする気がするのだけれど、この人にはそういうあぶなっかしさを全然感じないというか、自分の意見に対する世間の反応とかに期待もしていないし恐れてもいない感じが清々しいと思うわけなんです。
にもかかわらず、この人の意見には「あ、いわれてみればそうだな」という成分がけっこうな比率で配合されていて、ハッと気付かされる事も少なくなくて、でもちゃんと笑いにも着地させられるトコがこの人の存在感を特別なものにしているんじゃないかと思うわけなんです。