甲本ヒロトのビジュアル的な解釈 【強烈に特別な人】
今のところ、今年の僕のソングオブザイヤー候補はクロマニヨンズの「生きる」です。
リリース自体は去年だったみたいなのだけど、僕が最初に耳にしたのはドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です」のエンディングテーマとしてだったので2019年度にノミネートしているわけなんです。
曲として、たたみかけるような疾走感があって、普遍的でありながらロックンロールの新しさみたいなのを感じるっつうか、とにかく聴くと心拍数とかテンションとか、そういう何かが跳ね上がる感じがするわけなんです。
で、やっぱりボーカルのこの人はすごいね。何度もライブで観たり、たまに駅で見かけたりもしたのだけど昔から一貫しているというか、むしろ今の方が更にシンプルでストレートでみずみずしくすらあるっていうのかな。とにかく強烈に特別な人なんだと思います。
バンド全体としても、とても上手いし何より楽しそうでね、こういうバンドって今や少数派なのかも知れないけど「売れたい!」とか「一目置かれたい」みたいなのが優先項目になるんじゃなくて「バンドやりてー!」みたいな初期衝動のままずっと走っている感じは生き生きとしていて信用できる感じがとても強いと思います。
なんかこう、ロックバンドって商売の匂いがすると、途端にみっともなくなる感じがするのだけど、この人達はそういう音楽ビジネスと、うまく間合いを取れているというか、「ドカンと儲けてフェラーリ乗りてー」とか「バンドを足掛かりに芸能人になりてー」みたいな事ではなく、バンドをやる事とか音楽を楽しむ事自体が目的になっている感じがするトコが清々しいんだなぁと思います。もう、かなりキャリアのあるベテランなのに。
いつからかロックスターって、なんか成功者のショーケースみたいな側面もありそうな感じだけど、本質的には好きな事を好きな感じでやって、それを気に入ってくれる人達が居るっていう現象自体こそが理想的でカッコいい姿なんじゃないかと思うわけです。
そういう信条みたいなものを、この人が強烈に全身から発散しているし、それを支持する人達が意外とたくさん居ることが、なんか嬉しい気がします。
あと、この人全然太らないでしょ。僕は何となくだけどロッカーって絶対に太っちゃダメだと思うの。