岡田将生のビジュアル的な解釈【所作とか色気とかまで身につけちゃった】
この人の事は「ホノカアボーイ」っていう映画で主演しているのを劇場で観たので結構初期から知っていました。
「特に何も起こらない映画だなぁ」と思った覚えがあるのだけど、何だか妙に印象に残っているのは、この人のハンサムぶりと共演だった長谷川潤の美人っぷりのせいだったのかも知れません。
その後も、時折この人の出演作を観てきたような気がするのだけどドラマ「ゆとりですがなにか」なんか、すごく生き生きとしていて上手くて、とても感心したのを覚えています。
で、昨日最終回だったNHKのドラマ「昭和元禄落語心中」でも、この人は主役だったのだけど、これがもうホントに凄くて心底驚きました。
この中でのこの人は、落語家の役なので、もちろん落語は演るし、入門してから名人になっていく半生記でもあるので若い時から老人までを演じたわけなんだけど、落語は見事だし(劇中で時々演った“死神”なんかマジで凄いと思った)、才能もコンプレックスもある若手時代から、名人といわれる頃になると自分の衰えに恐怖する老落語家までホントにそう見えるってだけじゃなくて、そこに気品とか所作とか色気とかが盛り込まれていて、ハタからみても要素満載の難しい役を丁寧にかつ鮮やかにやってのけたと思いました。役者さんとしては最近で一番驚きましたよ。
「品」とか「色気」とかって最近では失われつつある日本の価値観だと思うのだけど、明確なルールとかがあるわけでもないので解釈がむずかしいものでしょ。単に「とりすましている」だけででは「品」ではないし、「色気」って「セクシー」とか「エロ」とも違うもっと大きな概念だと思うわけなんですが、そういうのをキチンと組み立てて示してくれたと思うわけです。
僕が落語好きだというのはあるとは思うのだけど、このドラマはホントに面白かったというか上質感がすごいというか何回でも観れる作品だったなぁと思うのと同時に、この人の役者としての性能を広く知らしめる機会にもなったんじゃないかなぁと、つくづく思っているところです。
ハンサムで、更にこういう要素まで身につけられると、もうズルいとかじゃなくて、素直に参りましたって感じじゃないかと思うわけです。