白石加代子のビジュアル的な解釈【役者としての格とか覚悟が違う】
NHKのドラマ「ひよっこ2」はキチンと観ていましたが、これはもう国民的なドラマという扱いでいいんじゃないかと思いました。ストーリーとか設定とかが優れているっていうのはもちろんなのだけれど、登場人物のそれぞれが立っているというか機能的というか、安心して展開に乗れる「妙」みたいなものを装備している感じがします。
中でもこの人は、とても重要なスパイスになっていると思うというか、ともすれば安定感過多になりそうなトコに絶妙な違和感とか程よい緊迫感とかをもたらしてくれていて、さすがだなぁとつくづく思いました。
僕の印象では、この人はずっと「狂気」とか「情念」とかを受け持ち領域にしてきた女優さんで、今回の役ではそういう要素は特に使わずに済む感じだったと思うのだけど、こぼれるというか滲むというか、そういう気配が見え隠れして、そこがこの人ならではの特質であり、この人でなければならない個性だと思うわけです。
表情が豊かで、色気も毒気もあって、でも品がいいみたいなのをフル装備している役者さんて実は多くないと思うのだけど、この人の場合は全部持っている上に迫力が加わるので、正に余人をもって代えがたい希有な女優さんだと思うわけです。
あと何より年齢がポジティブに作用しているっていうのかな。多分、この人の女優力のピークはまだこれからくるんじゃないかと思うわけです。
いやホントに。