霜降り明星のビジュアル的な解釈【最近不足していた健全な若手力を持っている】
正に快進撃中のこの人たちですが、近年のいわゆる「若手漫才師の新星」とは違う感じがします。
キチンと二人ともそれぞれの存在感があって、その関係性による世界観が観る人にスルッと伝わって、それがちゃんと面白さにつながっているっていうのかな。
そういうのって、まず時間を掛けて地ならしをして「僕たちはこういうタイプなんです」っていうのを宣言して覚えてもらってみたいな手順が必要なやつだったと思うのだけれど、この人達の世界観は最初から間合いを詰めてくるっていうんでしょうか。オーソドックスな漫才の気配をちゃんと持ちながら面白さの強弱とかサジ加減を状況に応じて緻密に制御しているような気がします。
なんかこう「臨機応変」で「柔軟」で、あと「面白さに対して真摯」で「社会とか世代に対してニュートラル」なスタイルに見えるわけなんです。
なので、初速が速いだけで、すぐに失速しちゃいそうな感じが全然しないっていうのかな、あと何より「自分たちの才気の特別さを世間にアピールしたい欲」みたいなのを画面に出さないようにできているトコがすごいなぁと思います。
芸人さんだけではないのだけれど、若い時って特に理由もなく漫然と不安で、それに対抗しようとして特に理由もなく自分を高く見積もりたい瞬間があるような気がするっていうのかな、要は「調子に乗りたい」場面みたいなのがあるような気がするし、そういうのって若手時代にはけっこう大事なことでもあると思うのだけれど、やり過ぎると嫌われるし、ともすればそれ自体が目的になっちゃったりするので取扱いがむずかしい自我でもあるでしょ。
この人達は若くて調子に乗っていいタイミングにあると思うのだけれど、その辺の注意深さとかがある感じがするわけなんです。もしかするとあれかな、反面教師みたいな先輩とかを色々見たのかな。
そういう「健全な若手力」みたいなのをうまくかつ慎重に使えているトコがこの人達の特質でもあるような気がします。
僕としては、とても好きな芸人さんだし今後、主戦場になっていくバラエティ番組でも、今のところとてもハマりがいいと思うので、キチンと注目していきたいと思っています。
つうかいっぺん劇場で観たいなぁ。
白石加代子のビジュアル的な解釈【役者としての格とか覚悟が違う】
NHKのドラマ「ひよっこ2」はキチンと観ていましたが、これはもう国民的なドラマという扱いでいいんじゃないかと思いました。ストーリーとか設定とかが優れているっていうのはもちろんなのだけれど、登場人物のそれぞれが立っているというか機能的というか、安心して展開に乗れる「妙」みたいなものを装備している感じがします。
中でもこの人は、とても重要なスパイスになっていると思うというか、ともすれば安定感過多になりそうなトコに絶妙な違和感とか程よい緊迫感とかをもたらしてくれていて、さすがだなぁとつくづく思いました。
僕の印象では、この人はずっと「狂気」とか「情念」とかを受け持ち領域にしてきた女優さんで、今回の役ではそういう要素は特に使わずに済む感じだったと思うのだけど、こぼれるというか滲むというか、そういう気配が見え隠れして、そこがこの人ならではの特質であり、この人でなければならない個性だと思うわけです。
表情が豊かで、色気も毒気もあって、でも品がいいみたいなのをフル装備している役者さんて実は多くないと思うのだけど、この人の場合は全部持っている上に迫力が加わるので、正に余人をもって代えがたい希有な女優さんだと思うわけです。
あと何より年齢がポジティブに作用しているっていうのかな。多分、この人の女優力のピークはまだこれからくるんじゃないかと思うわけです。
いやホントに。
ピエール瀧のビジュアル的な解釈【愛される人】
SR400【日本のオートバイの教典であり宝だと思う】
僕はSRX600の最終型に15年くらい乗っていた事があって、パーツをあれこれ交換したり、あちこちの調整を地道に詰めたりして要は自分の好みのハンドリングとかフィールとかをライフワーク的に試したり、オートバイそのものの構造とかを自分なりに解釈する教材としてとても気に入っていたんですね。
例えば、単気筒エンジンだとキャブを交換したりセッティングするのも楽ちんだし、そもそも、このバイクのカタチが好きだったっていうのもあるし。
なのでヤマハの単気筒バイクは馴染み深いというか身近な印象を持っていたのだけど、ふと僕はSR400に乗った事がないのに気がついて驚きました。我ながら。
オートバイの基本中の基本みたいなカタチで、長い事ヤマハのというか日本のバイクのスタンダードとしてのポジションを築いてきて、僕自身も常に気になるモデルだったのに乗った事がないんですよ。相当たくさんの色んなバイクに乗った事があるくせにSR400(500も含めて)に乗った事がなかったっていうのは、これはもう「カレーライスを食べた事がない」に匹敵する感じじゃないかと愕然としました。
そんなSR400が何回目かの発売休止を経て、またラインナップに復活したわけですが、このバイクは絶対に必要な日本の宝だと思うので、とにかく末永く続いていってほしいと心底思っています。
乗った事のない僕がいうのもあれなのだけど。