デザイン観測

デザインもの(乗り物関係が多くなるのかなぁ)について書いたり描いたりして自分なりに理解していく備忘録的な感じです。絵は15分以内で描くのをゆるいルールにしてます。あ、面白ハンコ屋さんの中の人です。http://www.hankopla.net

神木隆之介のビジュアル的な解釈【演技の排気量がデカい】

わたくし事なんですが春に目の手術(こう書くと、なんか大げさだな)を受けまして、いやもうすっかり良くというか以前よりグっと調子良くなっている一方、妙に慌ただしく過ごしておりまして(バイクにも乗りたいし)ようやくここにあれこれ描いたり書いたりする時間が取れました。エアコンなしで繰り広げておりますので例によって紙が腕にくっついちゃったりして「イー!」となったりしていますが、すこぶる元気です。

で、この人をNHKの朝ドラで毎日観ているわけなんですが、やっぱり、なんかこう「観ちゃう人」なんだと思うんですよ。
もちろん子役出身で若いのに長いキャリアのある役者さんなのは知っているのだけれど、僕の観測範囲で最初にキャッチしたのはTBSのドラマ「SPEC〜警視庁公安部公安第五課_未詳事件特別対策係事件簿〜」(長いな)で一十一(ニノマエ•ジュウイチ)役を鮮やかに演じていた時なので実は子役時代の事をあまり知らなかったりします。でもホントにこの悪役要素も多い難しい役をガシっとモノにしていて「すげー俳優さんだなぁ」と思いました。
今の朝ドラ「らんまん」でも土佐出身の植物学者をやっぱりガシっと演じているわけですが、観ていて思うのは昔は「悪い人は悪い顔」をしていて「優しい人は優しい顔」をしている的なシンプルな演技体系みたいなのが主流だった気がするのだけど、今は観る側の心のヒダみたいなものが発達しちゃって、例えば「悪い顔の優しい人」も「優しい顔の悪い人」も普通にいるよねってのが、みんなわかっているし、そういう描写が使えないとドラマの奥行き感がさみしい事になっちゃう場合もある気がするんですね。そこで、この植物学者は草花に話しかけちゃうし、植物以外の事には無頓着で世間知らずだけど臆面もないみたいな、かなり特別な人物像なのだけど、それをスルっとストーリーの中に出現させられるのって相当なチカラだと思うんですよ。要は「エキセントリックな人は普通の顔をしている」っていう社会のコンセンサスをしっかり掴んでいるっていうのかな。
そういうエキセントリックと普通を行き来できる能力がこの人の特質なんじゃないかと思うわけなんです。
それって多分、現代の役者さんが持つべき基本性能のひとつなんじゃないかと、この人を観ると思うのだけどどうすかね?
扇風機を回したらちょっと涼しくなったので、そんな気がするだけなのかも知れないっちゃ知れないのだけど。