デザイン観測

デザインもの(乗り物関係が多くなるのかなぁ)について書いたり描いたりして自分なりに理解していく備忘録的な感じです。絵は15分以内で描くのをゆるいルールにしてます。あ、面白ハンコ屋さんの中の人です。http://www.hankopla.net

DUCATI 750SS【“ナマイキいってすいませんでした!”ってなる】

僕は音楽でも乗り物でも基本的に最新型が好きなのだけど、古いヤツの中に時々「こりゃやっぱりスゲーな」と思うのがあります。

このドゥカティの750はそんな一台で、ホンモノを見るとホントにカッコ良くて「うわー、ナマイキいってすいませんでした!パイセン!」って感じになります。ホントになります。

1970年代のドゥカティのプライドとかやる気とか美意識をまとめてブッこんだ、文字通り当時のスーパースポーツモデルで、この手のバイクって次々と世界中のライバルが新型を投入して来るから、性能的に負けてくると「単に古くなる」だけで時代から消えていく機種も少なくないのだけど、時々こういう風にビンテージ化していくモデルがあるんですね。

性能を売りにしていたモデルがライバルに性能で劣ってきたとしても存在感を放つことができて、更にクラシックとかビンテージとかになっていけるっていうのは、その後の時代の人々の意識にもしっかりと刺さる要素を持っていて、かつ敬意を持って見てもらえる何かがあるんだと思うわけです。

で、その何かっていうのは多分「カッコ良さ」とか「美しさ」みたいな視覚的な要素が結構な部分を占めるような気がするわけだけど、そういう要素って時代によってストライクゾーンが変わっちゃうので、それでも残るモノってやっぱり普遍的な美意識を発明したか、または変化し続ける人々の意識にたまたまマッチしたかのどちらかだと思うのだけど、そういうのっていずれにしてもマーケティングとかデータ解析とかでは見つからないヤツだと思うわけなんです。

だって、50年後にビンテージ化して新車価格よりずっと高く取引されているかどうかとか、今の当事者全員にとって全然必要ない指標だし予測スパンが長過ぎるもん。

でも、そんな風に残るモノには作った人達の矜持が色濃くコーティングされてるような気もするわけです。

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