デザイン観測

デザインもの(乗り物関係が多くなるのかなぁ)について書いたり描いたりして自分なりに理解していく備忘録的な感じです。絵は15分以内で描くのをゆるいルールにしてます。あ、面白ハンコ屋さんの中の人です。http://www.hankopla.net

笑い飯のビジュアル的な解釈【漫才師ズ漫才師】

この間、この人たちのライブを観てホントにサイコーだったので実は既に他の人の絵を描いてあったのだけれど、あんまりサイコーだったので居ても立ってもいられず横入りしてお送りします。ただ、あれです冷房システムのない作業環境にヘコたれて今回の絵は色なし仕上げとなっております。暑さで紙が腕にくっついちゃって「イー!」っとなっちゃうんです。

で、僕はこの人たちの漫才がとても好きで強烈に面白いと思っているわけですが、とにかくネタにしろ存在感にしろ独特でしょ。

スタイルとしてはよく「ダブルボケ」といわれるのだけれど僕としてはシチュエーションとかお題に対して二人で大喜利を繰り広げる感じっていうのが正確じゃないかと思っています。そういう意味では確かに二人ともボケるのだけれど、その回答もそれに対するリアクションも共にボケになっていて、本質的なツッコみはお客さんが担っているっていうんでしょうか、要は最終的な「なんでやねん」も「どないやねん」も観ている人の脳内に発生する仕組みになっているトコがすごいなぁと思うわけです。これって観る側の成長とか進化も重要なポイントにもなっている気がするのだけれど、この人たちは多分そういう観客の準備が整う以前からこのスタイルで客席にビシビシ豪速球や変化球を投げ込んでいたんじゃないかな。それが徐々に理解されて今やたくさんのお客さんがガシッとキャッチできるようになってきたような気がします。

なので初期の頃は劇場とかライブとかと地方営業の温度差が大変だったんじゃないかなと思ったりします。

それと、この人たちは芸能人になりたくてお笑いを選んだのではなく、あくまで芸人とか漫才師になりたくて更にその中で自分たちの「面白さ」を試したり追求するとこにフォーカスしている感じが強くて、そういう点が求道的というかハードコアというか、とにかく徹底している気がします。もしかすると、その辺が養成所出身と気配が違う感じの原泉なのかな。

そんなトコが音楽でいう「ミュージシャンズミュージシャン」みたいに「プロの間で支持される」的な意味合いでの「漫才師ズ漫才師」的な立ち位置にこの人たちを押し上げているんじゃないかと思うわけなんです。

あと、この人たちを観るとつくづく思うのだけれど「大喜利」って義務教育にしたらいいんじゃいかな。そうしたらトラブルとかが起きても笑いに転嫁できる能力がグッと高まるでしょ。そうなれば多分、人々の生活の平和度も相当向上するんじゃないかと思うんですよ。

あ、大学に「大喜利学科」とかあってもいいくらいかも。そういう能力は実際とても役に立つので経済とか経営とかより、むしろ就職に有利になる可能性もあるんじゃないかとすら思っております。

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江口のりこのビジュアル的な解釈【無表情と微表情の使い手】

この人を初めて見たのはドラマ「時効警察」のサネイエさん役で、それはもう、とても印象的だったのだけれど、その後グイグイと僕が観るドラマや映画の重要な役で登場していて、ここ最近は毎シーズン途切れることなくドラマのどれかにキャスティングされていて今や相当な売れっ子女優さんになっているんですね。

今期でいえばドラマ「ソロ活女子のススメ」で主演しているわけですが、思えば僕も旅へ行くのもバイクに乗るのも活動の大半が一人だったので、ソロで活動する気楽さとか自由さみたいなのはとても共感できる気がして毎回しっかり観ています。あ、女子ではないのだけれど。

このドラマでのこの人は正に役にガシッとハマっているというか他の役者さんでは成立しないとすら思うくらいピッタリだと思うわけですが、考えてみるとこの人が担当する役っていつもそう感じられるし、さらにリアルな人物像としてスルっと入ってくるのは、この人の能力が相当高いのと、そういう点を制作側にとても頼りにされているんじゃないかと僕はニラんでいます。

本質的にクセの強い役が多いと思うのだけれど、そこをキチンと「あ、でもなんかわかる」に着地させられる女優さんとして独自のポジションを確立できているところがすごいんじゃないかな。

あと、役者さんの歴史には「表情を大きく」とか「表現を力強く」みたいな基礎ルールみたいなのが色濃くあったような気配を時々感じるのだけれど、この人は無表情と微表情を見事に、かつ独自のレシピで使えるでしょ。そういうのって「観る側」の人たちの読解力が進化してくると「善意」にも「悪意」にも「興味あるぞ」にも「なんやそれ」にもキチンと感じ取ってもらえるようになった気がするわけですが、そこに踏み込めている数少ない女優さんになっていると思うわけなんです。

それと、この人が出ていると高確立で僕の好きなドラマになっている気がするのだけれど、もしかしたら、そう思う人も結構多いんじゃないかな。なんとなく。

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角田晃広/東京03のビジュアル的な解釈【リアルな「いる!こういう人いる!」の名手】

今やっているドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」は、まだ始まったばっかだからあれだけれど、もしかしたら僕史上一番好きな日本のドラマになりそうな予感がしています。

松たか子松田龍平岡田将生と僕の好きな役者さんがごっそり出ていて脚本も素晴らしくて、あとカメラワークがホントに見事で、そこにこの人が混じっているのが、なんかこう、とてもいいなぁと思うというか、この役はこの人のための役としてあらかじめ用意してあったんじゃないかとすら思うくらいのハマり役だと思うんですね。

一見、調子が良くてちょっとズルくて、打たれ弱いくせに虚勢を張って、浮き足立っているのに落ち着いているように見られたくて、強がるくせに弱々しいみたいなキャラクターをリアルに展開できる能力はコントで磨かれてきたんだと思うのだけれど、この人のそれは群を抜いていて更にそれをドラマでもキチンと「おもしろさ」に着地させられているのがすごいなぁと感服しちゃうわけなんです。

演技を通じて観ている人をストーリーに乗せていくのが演者だとしたら、この人のスタイルとか底力は相当なものだと思うというか、コントとか芝居とかの垣根を越えられる能力とか研鑽とか覚悟とかが感じられるっていうんでしょうか、要は「いる!こういう人いる!」っていうのをリアルに丁寧に生々しく展開するのって、むしろ人並みはずれた「正気」とか「客観性」とかが必要なやつなんじゃないかと僕は思うのだけれど、きっと、この人のそういうチカラをガシっと受信している人ってたくさんいるんじゃないかな。

あ、それとこれは僕の勘だけれど、これまで特に「モテ」を狙って活動してきた訳じゃないと思うのだけれど、今のこの人は相当モテる気がするな。なんとなく。

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杉咲花のビジュアル的な解釈【役を描く人】

今期のドラマは僕が好きなのが多くて、あれこれ観ていますが中でもNHKの朝ドラ「おちょやん」はすごいなぁと思います。

世の中の感覚に置いていかれないように朝ドラを観るようになって、しばらく経つのだけれど僕が観るようになって以来のベスト朝ドラに認定してもいいかも知れません。

特に主役のこの人の演技のチカラというか女優力というか引き込む性能の高さには毎回驚かされるわけですが、こんなに上手いというか役を描ける人だったんだなぁと恐れ入りましたよ。

このドラマは脚本が「優しさ」も「えげつなさ」も容赦ない構造(そこがまたいいんだと思う)になっていて主人公の千代の喜怒哀楽の受け持ち領域が多分、普通の役より何倍も広いしNHKの朝ドラには大抵登場する親友みたいな同性•同年代の仲間も特に出てこないので、この人が一人で物語の推進力にならなきゃいけない建て付けになっている気がするのだけれど、それを見事にこなしていると思います。

表情の幅広さだけじゃなくきめ細かさも求められる着物を着た関西弁の役にこれだけ鮮やかに対応できるなら、現代劇ならそれはもう凄い事になるんだろうなぁと思ったトコで、以前観た映画「湯を沸かすほどの熱い愛」で宮沢りえの娘役をそれはそれは見事に演じていたのを思い出しましたよ。

とにかく最近は若くて美人で上手な女優さんが台頭してきて、とてもいいと思っているところです。

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櫻井翔のビジュアル的な解釈【絆のカナメ】

多分、僕は「木更津キャッツアイ」の「バンビ」役でこの人を初めて認識したと思うのだけれど、これはとても好きな作品でドラマも映画も全部観ました。思えば、他にもこの人の出演作は結構観ていたし「news zero」でのキャスター担当とかも含めて「幅広く」かつ「着々と王道を行く」特別感っていうかエリート感みたいなものを持った人な気がしています。

そんなこの人で僕が一番印象深いのは嵐の活動休止の記者会見で、どこかの記者が「無責任じゃないか」的な話を振ってきた時に、猫でいうと背中の毛をファ!っと逆立てたような気配を一瞬かすかに見せるか見せないかのコンマ何秒かの直後に、ものすごく冷静に、かつ素早く誠実に対応したシーンで、この人はこの嵐の大事な場面を妙な横ヤリで台無しにしたくないのだなと僕でもわかったというか、そういう事ができる大人の男性ってホントに少ないんだよなぁと物凄く感心しました。

で、嵐ってそもそも全員がそれぞれキチンと役割りのある中心メンバーの集合体な感じがしているわけですが、そこでこの人の場合は肩書きとかポジションとかを超えたところで、なんていうか「カナメ」なんじゃないかと思うっていうんでしょうか。多分、この人自身も嵐の事がとても好きで、そのメンバーとして自分の好き嫌いを超えて第一義はチームのためになるかどうかを考えて実行できる人な感じがしています。

多分こういう人って、学校とか会社とかに絶対にいて欲しい存在で、実はそういう人の事をエリートっていうんじゃないかと僕なんかは思うわけなんです。

多分、芸能活動とかじゃなく仮に会社に勤めていたとしても絶対に成功する人なんじゃないかなぁ。

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